シミ・老人性色素斑・そばかす・肌のくすみ
「シミ」を気軽に考えていませんか?
「シミ」は皮膚の病気の一種です。
一般的に「シミ」とされている状態は、実は非常に危険な病気である事も少なくなく、診断が非常に難しいという事はあまり知られていません。ガンを見落としてしまって本来してはいけない治療をしてしまったという事が、実際には多く報告されています。
種類によってはレーザーでは悪化させてしまったり、本来は手術で切除しなければいけなかったりします。(大手美容クリニックで癌を”シミ”と診断され、癌の治療が遅れてしまった方を大学病院などでたくさん見てきました。多くのクリニックでは、シミの治療を看護師やエステティシャンに任せており、これは場合によってはあなたの大事な体を危険にさらしうる事があります。)
皮膚がんなどの悪性腫瘍に関して専門的なトレーニングを積んだ医師は、大手美容クリニックや自由診療クリニックにほとんどいません。なぜなら難しい皮膚がんなどの症例は、東京大学医学部付属病院をはじめとした先端医療を扱う大学病院に集まっているため、そもそもそのような病院でトレーニングしていないと、経験数自体が圧倒的に違ってしまうのです。
これをきちんと見分けたうえで、さらなる肌の美しさを目指す、ということが美容皮膚医学の前提となります。
たとえば、見分けなければならない疾患としては、次のようなものがあります。
・肝斑
・雀卵斑(そばかす)
・扁平母斑
・色素性母斑(ほくろ)
・炎症後の色素沈着(アトピーの色素沈着にリンク)
・接触皮膚炎(かぶれ)の色素沈着(アトピーの色素沈着にリンク)
・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM:acqiured dermal melanocytosis)
・太田母斑、青色母斑
・カフェオレ斑
・皮膚がん
などです。
これらを見分けるには、大学病院の皮膚科・皮膚レーザー科などで専門的なトレーニングを積んだ医師による診断能力を必要とします。診断に、必ずDermoscopy(ダーモスコピー:皮膚科専門の医師が使用する拡大鏡)が必要になります。(下記はDermoscopyの画像)ご存知ない方も多いと思いますが、形成外科、美容外科では、この能力は身に付きません。というより、使い方さえ知らない事がほとんどです。
特に見分けるのが難しいのは、皮膚の色素沈着型皮膚炎といわれる病気と、後天性真皮メラノサイト―シス(ADM:acqiured dermal melanocytosis)です。色素斑が網目状であるか、灰色がかった褐色斑であるか、かゆみを伴うかなどがポイントです。特に、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM:acqiured dermal melanocytosis)は肝斑と分布が同じで悪くなる原因も共通しているので見分けるのは専門のトレーニングを経てなければ難しいです。
ADMの写真
灰色がかった小色素斑が集まっているときは後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)を考えます。肝斑はまぶたの上下の皮膚に生じることは少なく、まぶたに色素斑が存在する場合は後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)を考えます。
色調、境界、左右対称性、点状色素斑の有無や分布、発症年齢、季節変動など総合的に考えなければなりません。