New atrophic acnescar classification, Kang
MD、2016らによる、と、にきび跡の評価、分類は、客観性にかけ、主観性が非常に高く、全世界から集まったにきび跡の専門家での評価、分類、数(すなわちそれがにきび跡かどうか)という点で、全く統一性はなく、バラバラであって、にきび跡の評価自体が相当に主観性が高いということがわかっています。なので、例えば、他人から見て、大きく改善していると思われる場合でも、その個人にとっては全く良くなってないと感じるということが容易に起こり得るのが、この病気の特徴です。
adipose derived stromal cell (脂肪由来間質細胞)とは、脂肪吸引時においてできる特殊な一部の組織で、その中には脂肪幹細胞も含まれています。(adipose derived mesenchymal stemcell fromliposuction and resected fat are feasible source for regeneraive
medicine, schneider 2017の研究発表より)(当院の分離精製法では、再生医療法において制限されている移植組織に対して「加工」処理は一切用いませんので、「細胞加工物」は用いません。ここでいう「加工」とは細胞、組織の人為的な増殖、分化、細胞の株化、細胞の活性化等を目的とした薬剤処理、生物学的特性変化、非細胞生物との組み合わせ、または遺伝子工学的改変などをさし、組織、細胞の分離、特性細胞の単離(薬剤などの生物学的、科学的処理により単離することは除く)、抗生物質による処理、洗浄、γ線による滅菌、殺菌、解凍は「加工」とはみなされません。(再生医療検討委員会の発表による)また、移植片の第一の利用目的は本来の細胞の機能と同一の目的において使用します。具体的な当院の分離法は、来院時に作製法のを発表した該当論文とともにお伝えします)
こちらは、体の脂肪を吸引後、顔面の凹み、クレーターに脂肪を移植していきます。脂肪組織には、脂肪組織に含まれるadipose derived stromal cell(脂肪由来間質細胞)、及び、mesenchymal stem cellが含まれることがわかっており(adipose derived mesenchymal stemcell fromliposuction and
resected fat are feasible source for regeneraive medicine, schneider 2017の研究発表による)それも同時に移植します。また同時に真皮組織も移植します。
脂肪移植自体は、顔面の若返り法として、近年登場してきた、最も革新的な方法になります。(Marten TJらによる、Fat grafting in facial rejuvenation Clin Plast Surgery 2015, Charles-sde-Sa Lらによる Antiaging treatment of facial skin by fat graft and
adipose-derived stemcells, Plast Reconst Sur 2015ほか複数の論文により言及されています) 。アレルギー反応がないことにより、ヒアルロン酸などの人工物に比較して、安全で、自然な外見、ボリュームアップ効果に優れている事が分かっております。(Marten TJらによる、Fat grafting in facial rejuvenation
Clin Plast Surgery 2015)またadipose-derived stromal and stem cellは、パラクライン分泌により、周囲の皮膚組織に対して、血管新生、繊維化細胞への刺激、ケラチノサイトの移動、延命、コラーゲン新生、細胞間基質の増加を引き起こす事が知られています。(Kim WSらによる、protective role of
adipose-derived stem cells and their solube factors in photoaging Arch Dermatol Res 2009)
ボリュームアップ効果(クレーター、凹みの改善)に関して:Vera Negenborn,MDらによる「傷跡への脂肪移植、systemic review」in Plastic and Reconstructive surgery in Dec 2015によると、現在まで発表された13の研究によると、脂肪移植単独でのボリューム改善の割合1回の治療で約30%、adipose
derived stem cellを脂肪組織に付加した場合60%、成長因子+幹細胞添付により90%。移植した脂肪組織の定着率は、1−3年のフォローアップで、平均50%となっています(当然ながら、脂肪組織の吸収率は治療前に予測できるものではありません。)患者からの評価、満足:不満足=50:1(このように美容医療において、全ての方が満足する治療というものは存在しません)。
傷跡の見た目の改善に関して: 傷跡の特徴であるエラスチン繊維の減少が、脂肪移植によって改善したとのデータがあります。(Sardesai MGらによる「顔面の傷跡に対する微小脂肪移植の数量的、性質的な真皮の変化に関して」otolarygo Head Neck surg
2007)。これにより、エラスチンの減少による傷跡の硬さが改善します。この発表において、見た目の改善に関して満足感を得た割合:82%。
真皮移植は、正常皮膚から真皮組織を取り出して、皮膚陥凹部に移植する方法です。この中には繊維芽細胞も含まれています。シルパらによると、「顔面の萎縮性瘢痕における真皮移植の結果について」in Journal of Curtaneous and Aesthetiv Surgeryにおいて、凹みの瘢痕に関して、明確な効果が認められております。
脂肪と脂肪由来間質細胞(脂肪由来幹細胞を含む)の違い:単純にいうと、脂肪移植はある程度の即効性をもちリフティング効果をもち、脂肪幹細胞移植自体は、脂肪移植、真皮移植、表皮移植の定着率をあげること、そして、皮膚の質感を改善する効果があります。(脂肪移植、脂肪幹細胞移植による顔面の皮膚の若返り Rodovanらによる、plastic reconstructive 2015,
脂肪幹細胞は皮膚の恒常性を保つ Elodie Metralら Stemcell reserch &theory )。また、根本的な問題である幹細胞って本当に皮膚の細胞に分化するのか?という問題ですが、1つ重要な研究があります。RustadらはEnhancement of mesenchymal stem cell angiogenic
capacityという研究で、幹細胞を染色することにより、その細胞が皮膚細胞に分化していくことを研究によって確かめています。では、幹細胞のみでいいのか?というとそうではありません。mesenchymal stemcell(間葉系幹細胞)はacellular matrix(皮膚の細胞外成分)と同時に移植すると幹細胞から組織分化が早まることがわかっています。(Mesenshymal
stem cells combined with an artificail dermal sucstitutes 2012 より)これにより、すなわちacelluar matrixを含む真皮組織を同時に移植することに対する医学的正当性が裏付けられています。
CO2フラクショナルレーザーを同時に行わない理由:比較研究試験において、CO2フラクショナルレーザーを同時に行うことに治療結果のプラス効果がないことが判明したからです。Tennnaらはaestetic plastic surgeryにおいて2017年脂肪移植にフラクショナルレーザーを追加することは、治療にプラスの効果を生み出さない、と結論付けています。(Comparative
study using autologous fat grafts plus platelet rich plasma with or without fractional co2 laserrefurfecing in treatment of acne scar)
治療の安全性の比較:ヒアルロン酸と異なり、脂肪組織は自己組織のため、炎症反応を引き起こしにくいと言われています。自身の組織のため、人工物で一定の確率で生じるアレルギー反応もないです。そのため、投与直後のアレルギー反応及び遅れて生じてくる異物肉芽種の形成(いずれもヒアルロン酸などの異物投与により生じる可能性がある)がないと言われています(顔面に投与した場合です)。また、ヒアルロン酸で1〜2%で生じると言われている「皮膚壊死」と「失明」は脂肪移植において報告されていません。(Jan-Willem
Groen, MDらによる「顔面の若返りにおける自己脂肪移植について」Plastic and Reconstructive Surgery Global Open)
ヒアルロン酸と癌化リスクに関して:2019年東京大学の畠山教授がヒアルロン酸による癌化リスクを発表し、安易な異物注入に警告を鳴らしています。(High-Molecular-Weight Hyaluronan Is a Hippo Pathway Ligabd That
Directs Cell DEnsity-Dependent Growth Inhibition via PAR1b) すなわち、注入された高分子ヒアルロン酸は、体内で容易に分解されて有害な低分子ヒアルロン酸に変化し、低分子ヒアルロン酸は皮膚を癌化させるリスクがあるということです。たとえ吸収される物質であったとしても、皮膚に有害な物質になり得るという事です。
ヒアルロン酸などの異物投与後では、再生医療の治療が不可能な場合があります。
ヒアルロン酸との効果の比較:上記記載の通り、脂肪移植ではアレルギー反応がないことにより、ヒアルロン酸などの人工物に比較して、安全で、自然な外見、ボリュームアップ効果に優れている事が分かっています。(Marten TJらによる、Fat grafting in facial rejuvenation Clin Plast Surgery
2015)また最大の違いは、脂肪移植では注入されたものの一部は永久に残るというところです(一部は必ず吸収されます。)そこが最も大きな違いです。
また、脂肪移植では、単純に脂肪組織を増やすだけではなく、パラクライン分泌により、エラスチンを増やし真皮層を厚くすることが証明されています。また、傷跡の異常な神経配列も修正することが確認されています。(A.Mojallalらによる、「脂肪移植後の皮膚のクオリティの改善について」Plast.Reconstr.Surgery
2009)また、別の研究では、繊維芽細胞の刺激、ケラチノサイトの誘導分化、延命および移植部のコラーゲン、細胞間基質の増加が確認されています。(Kim WSらによる、protective role of adipose-derived stem cells and their solube factors in photoaging Arch Dermatol Res
2009))。また、この脂肪移植と脂肪幹細胞移植によって、傷によって皮膚の失われた汗腺及び毛穴が再生したとの報告があります。(萎縮性瘢痕に対する濃縮微小脂肪移植と脂肪移植の使用について、Zi chun JAMA Facial Plastic
surgery)すなわち、傷跡の皮膚を正常皮膚組織に限りなく近づけていくことができます。(顕微鏡レベルのミクロレベルではなく、肉眼視の外見上のレベルでは十分に正常皮膚と思われるレベルまでは改善していくことができると思いますし、そのような発表も上記のように多くあります)
臍帯血上清液など成長因子との比較:
最大の違いは、成長因子、臍帯血エキス上清液は細胞を含まないという点です。臍帯血エキス上清液は、その感染性のウイルス、細菌等を無毒化する処理において、幹細胞は全て死滅し、細胞成分は入っておりません(逆に他人の細胞成分が入っていれば、簡単に投与できません、caringmedical.comより)。臍帯血においては、幹細胞を生存させるために無毒化処理を甘くすると、容易に感染性をもち、実際に2018年、臍帯血注射を受けた12人が、菌血症(血液の感染症)で入院したという事が、アメリカのDepartment of health and human
serviceによって発表されています。(caringmedical.comより)すなわち、感染性をなくすためには、幹細胞を殺す処理が必要になってくるという事です。よって、正常な皮膚組織、脂肪組織に分化する細胞は含んでいません。単独で炎症で欠落した脂肪組織を増やす効果はないということです。(成長因子は移植片の定着率をあげることは確認されています。)成長因子は繊維芽細胞を刺激することによって真皮組織に働きかけることであって、脂肪組織を増やすことはできませんし、自身が脂肪組織、もしくは皮膚組織になることはできません。なお、色々なところで「幹細胞エキス」など、色々な商品が出回っていますが、科学的組成(すなわちどのように作成されたのか、無菌化処理はどのように行っているのかなど、不明な点が多い)当然ながら、それらは細胞は含んでいません。
繊維芽細胞との比較:繊維芽細胞自体は、当然ながら細胞であり、かつ繊維芽細胞投与で一部の形状のニキビ跡が改善したとの研究があります。(GS Munavalli らによる「successful treatment of depressed, distensible acnescar using autologous fibloblast dermatologic surgery
2013」なおdistensible acnescarというのは、のばしたら跡が消えるタイプのニキビ跡です。ですが、唯一のFDA認証の繊維芽細胞製剤であるLAVIVは法令線への投与への承認は取れましたが、ニキビ跡への承認は、ニキビ跡への研究は行ったものの承認を至までには至っておりません(米国FDAのサイトより。)繊維芽細胞自体は真皮組織に含まれるものであるので、真皮移植時に繊維芽細胞も同時に移植されます。真皮移植においては、繊維芽細胞以外に、細胞間基質、コラーゲン、エラスチン繊維など、多くの組織を含んでいる事から、効果としては、真皮移植の方が高いと実体験、および医学的論理的推察から考えています(正式に発表された研究による比較はなし)。ただし、真皮移植に比較して副作用は少なくなる可能性があると思われます(研究、論文発表ななし)
CO2レーザー(フラクショナル)治療との効果の比較データ:2013年Azzam OAらが、フラクショナルCO2と脂肪移植(幹細胞の添付なし)との効果の比較の研究を発表しています。「fractional co2 lasertreatment vs autologous fat transfer in the treatment of acne
scar」そこでは脂肪移植がco2レーザーより効果的であると結論付けています。なお、近年FDAによって許可された, 多くの医師によってCO2を超えると評価されているリサーフェシングガスレーザー機器を日本で初導入し、使用しています。(下記参照)
punch graftとの比較:こちらは副作用であるcobble stone、surface irregularityを避けるために、1mm程度での移植片で行う事が推奨されており(Long term results os 2-mm punch grafting in patients with vitiligo vulgaris and segmental
vitiligo)、適応となる傷跡が、非常に限定されてしまう点、また、移植後の組織片の縮小が起きたのちに、瘢痕形成リスクにより再手術が難しい点から、行ったことのある医師で、続けて行う人は少ないかと思います。
幹細胞の静脈投与との違い:全身的な抗加齢目的でなく、特定の器官をターゲットにする場合は、静脈投与より局所的な投与がより効果がでるとの報告があります。(Herrmann JLらによるPost infarct intramyocardial injection of mesenchymail stem cells pretreated with TGF improves
acute MI 2010)また、現在、静脈投与で幹細胞を投与する場合、特殊な機関で精製までに非常に複雑な処理が必要になるので、1回あたり500万〜2000万円ほどがかかるので、静脈投与が局所的投与に勝るとのエビデンスが出ない限りは、局所的投与を選択するべきかと思います。すなわち、幹細胞投与としては、脂肪由来幹細胞の局所投与が最も行いやすく、価格も低い物になります。
脂肪移植、脂肪幹細胞移植における現在の課題とそれに対する当院の取り組み:脂肪移植、脂肪由来幹細胞移植ともに一番の課題はその生存率が一定ではない事によるものであって、採取するのにどこから脂肪を持ってくるべきかは、現在の所、明確な答えは出ていません(Geissler PJ, Davis Kらによる 脂肪移植の定着率の改善において Plast Reconstr Surg
2014)。ですが、採取場所によって生存率などの指標が変わってくるところは分かっています。(Wronska Aなどによる、structual and biochemical characteristics of various white adipose tissue depots acta physiol
2012)ただし、脂肪由来幹細胞に関しては、どこに最も存在するかは分かっており、脂肪組織がデポジットエリア、繊維性エリア、構造的白色脂肪組織に分けられるなか(これは全身の脂肪吸引をおこなっている経験がないと分からないと感覚が分からないと思います。)で、白色脂肪組織に最も含まれることが分かっています。(Sbarbati らによる、皮下脂肪組織の分類について Eur J
Histochem
2010)。構造的白色脂肪組織は、特定の部位の、脂肪の特定の部分に含まれるものでありますが、従来の脂肪吸引術では、吸引が難しい部位でありました。構造的白色脂肪組織を吸引するには特殊なカニューレを用いる必要があり、日本では入手できなかったので、海外から特別に輸入して使用しています。また、脂肪移植そのものに関しては、顔面の各部位で吸収率が異なっており、吸収されやすい部分は多めに、されにくい部分は少なめに移植しています。